#生成AIと教材制作 の活用術

構成案からeラーニング教材の内容を肉付けする

当コラムでは新入社員向けに「コンプライアンス研修」の教材を生成AIを使って制作する方法を解説してきています。今回はいよいよ、構成案に肉付けをして、教材そのものを制作していきます。


構成案までの作り方については、バックナンバーの記事をお読みください。

個別の項目について生成AIに生成させてみる

すでに生成AIが生成した全5回のコンプライアンス研修について、構成案は以下のとおりです。


新入社員向けコンプライアンス研修(全5回)
対象: 新入社員
目的:
・企業の信頼を守るために、コンプライアンスの基本を理解する
・法令遵守や社内ルールを徹底し、倫理的な行動を取れるようになる
・特に情報セキュリティのリスクを理解し、適切な対策を実践できるようにする


第1回:コンプライアンスの基礎と企業における責任
コンプライアンスとは?
・コンプライアンスとは?
・単なる法令遵守ではなく、「社会の期待」に応える責任
・コンプライアンス違反が企業にもたらす影響(事例紹介)
企業の社会的責任(CSR)とコンプライアンスの関係
・持続可能な経営のための倫理観
・「顧客・取引先・社会からの信頼」を守ることの重要性
新入社員に求められるコンプライアンス意識
・日々の業務で意識すべきポイント
・違反を未然に防ぐ「気づき」の力


第2回:情報セキュリティと企業の信頼
情報が企業の「財産」である理由
・競争力の源泉である機密情報・顧客情報・個人情報
・情報漏洩のリスクが企業経営に与える影響(実際の事例)
情報管理の基本ルール
・ID・パスワード管理の徹底
・データの持ち出し・共有ルール(USB・クラウド利用)
・紙の書類管理・シュレッダーの徹底
ケーススタディ:過去の情報漏洩事件と学ぶべきポイント


第3回:職場でのコンプライアンスリスクと防止策
社内で起こりやすいコンプライアンス違反
・ハラスメント(パワハラ・セクハラ・モラハラ)のリスク
・データ改ざん・虚偽報告のリスク
・横領・不正請求・利益相反行為(公私混同)
・新入社員でもできるコンプライアンス違反防止策
・「当たり前」を疑い、違和感を持つ姿勢
・困ったときの相談ルート(上司・コンプライアンス窓口)
ケーススタディ:職場でのコンプライアンス違反の実例と対策


第4回:SNS・メール・外部との情報共有リスク
SNS・チャット・メールの情報漏洩リスク
・SNSの何気ない投稿が引き起こす企業リスク
・メールの誤送信・誤CC・BCCの使い方ミス
機密情報の適切な取り扱い
・取引先との情報共有ルール(NDAの基本)
・在宅勤務・リモートワークでの情報管理
情報漏洩を防ぐための具体策
・送信前チェックの徹底
・「社外秘」「機密情報」の正しい認識


第5回:コンプライアンス違反を防ぐための行動指針
コンプライアンスは「他人事」ではない
・「自分がしなければ問題ない」ではなく、チーム全体で守る意識
・コンプライアンス違反を見つけたらどうする?(内部通報制度)
コンプライアンスを日常業務に活かすために
・「報告・連絡・相談」の徹底がリスク回避につながる
・研修のまとめ&確認テスト
・コンプライアンス宣誓書の提出

・補足ポイント
✅ 実際の事例を活用 → 具体的なケースを交え、実践的な内容に
✅ 業務に直結するルールを明確に → 「何をすればよいか」を明確化
✅ 対話型・参加型の学習 → ケーススタディやクイズで考えさせる構成


それではこの構成案に基づいて、第1回の内容生成AIに作ってもらいましょう。以下のように依頼しました。


「それでは、第1回目の内容について詳しい研修内容を作って」


この依頼に対する回答が、こちらです。かなり詳細なコンテンツ案となりました。


新入社員向けコンプライアンス研修 第1回
テーマ: コンプライアンスの基礎と企業における責任


1. 研修の目的
この研修では、新入社員がコンプライアンスの基本を理解し、企業においてなぜ重要なのかを学びます。
特に、「法令遵守だけではなく、社会や企業の信頼を守る」という視点を持ち、日々の業務で適切な判断ができることを目指します。


2. コンプライアンスとは?
コンプライアンスの定義
「法令遵守」+「企業倫理」 の両方を含む概念。
・法令遵守(法律を守る)
・社内規程の遵守(会社のルールを守る)
・社会的倫理の尊重(社会の期待に応える行動をする)

コンプライアンス違反が起こるとどうなる?
ケーススタディ:実際のコンプライアンス違反の事例
・A社の事例(データ改ざん) → 顧客の信頼を失い、業績が大幅に悪化
・B社の事例(内部の不正) → 従業員の不正行為が発覚し、企業ブランドに悪影響
・C社の事例(ハラスメント) → 内部告発による企業イメージの低下
✅ ポイント: コンプライアンス違反は、会社の信頼だけでなく、従業員自身のキャリアにも悪影響を及ぼす。


3. 企業におけるコンプライアンスの重要性
企業は「社会の一員」
・企業は利益を追求するだけではなく、社会の一員としての責任がある
・「企業の信頼=企業の価値」 → 信頼がなければ取引先も顧客も離れる
企業が守るべきコンプライアンスの範囲
・法令遵守(労働基準法、個人情報保護法、下請法など)
・社内ルール(就業規則、情報管理ルールなど)
・社会的責任(ハラスメント防止、環境問題への配慮など)


4. 新入社員が知っておくべき基本ルール
日常業務におけるコンプライアンス意識
新入社員でも、以下の点に注意することでコンプライアンス違反を防げる。
✅ 業務の進め方
・正しい情報を上司やチームに報告(虚偽の報告はNG)
・指示に従いつつも、違和感を感じたら相談する
✅ 情報管理
・勤務中に知った情報は社外に持ち出さない
・PC・スマホの適切な管理(紛失・盗難リスク)
✅ 社内の人間関係
・ハラスメント行為の禁止(言葉づかいや態度に注意)
・仲間として助け合い、信頼関係を築く
✅ ビジネスマナー
・外部とのやりとりでは、会社の一員としての自覚を持つ
・取引先や顧客との接し方に注意(礼儀・誠実な対応)


5. ケーススタディ:コンプライアンス違反を防ぐ行動
【事例1】ハラスメントの境界線はどこ?
シナリオ:
・先輩社員が、新入社員に「飲み会に来ないとチームワークが乱れる」と強要
・新入社員は行きたくないが、断ると職場での評価が下がると不安に思う
問題点:
・上司や先輩が「個人的な価値観」を押し付けるのはハラスメントに該当・する可能性がある
対応策:
・「行きたくない」とはっきり伝える
・相談できる上司や人事部に報告する


【事例2】情報管理ミスが企業の信用を失う
シナリオ:
・Aさん(新入社員)が、取引先の個人情報をExcelにまとめ、USBに保存して持ち帰る
・自宅で作業をしていたところ、USBを紛失
問題点:
・個人情報の外部持ち出しは、会社の情報管理ルールに違反
・USB紛失により、取引先の信頼を失う可能性がある
対応策:
・データの持ち出しを禁止するルールを確認する
・必要なら、社内の承認を得た上で、安全な方法で管理


6. コンプライアンス違反を防ぐためにできること
「迷ったら相談」の意識を持つ
・コンプライアンス違反は「知らなかった」では済まされない
・違和感を覚えたら上司・先輩・人事部に相談する
日々の業務で意識すべきポイント
✅ 何が正しいか判断に迷ったら
→ 「会社のルール」や「法律」に照らして考える
→ それでも分からなければ、相談する
✅ 「これくらいなら大丈夫」がトラブルを招く
→ 小さなミスが、大きな問題に発展することがある


かなり詳細な内容ですが、これをeラーニングによる研修の1回分だと考えると、少々内容が多すぎる感もあります。


というのも、eラーニングには「チャンク」という「単位」があります。eラーニングの授業はあまり長時間になると受講者の集中力を維持するのが難しいため、1回分のコンテンツは10分から15分程度が妥当とされています。この1単位を、「チャンク」といいます。


先ほどChatGPTが考えた第1回の内容だとチャンクに収めるのが難しいため、もう少し簡略化するよう依頼しました。


「ちょっと内容が多いので、もう少し簡単で少なくてもいいかな」


これに対する回答が、こちらです。


新入社員向けコンプライアンス研修 第1回
テーマ:コンプライアンスの基礎と企業における責任

1. 研修の目的
・コンプライアンスの基本を理解する
・なぜ企業にとって重要なのかを知る
・新入社員として気をつけるべきポイントを学ぶ


2. コンプライアンスとは?
法令やルールを守ること(法律・社内規則の遵守)
社会の期待に応えること(倫理的に正しい行動)
企業の信頼を守るために不可欠!
🔹 コンプライアンス違反の例
情報漏洩(社外に機密情報を持ち出す)
ハラスメント(言葉や態度で相手を不快にさせる)
不正行為(経費の不正請求、データ改ざん など)

✅ 1つの違反が企業の信用を大きく失わせる!


3. 企業におけるコンプライアンスの重要性
信頼が企業の価値を決める(取引先・顧客・社会からの評価)
違反すれば企業も個人も責任を問われる(場合によっては法的責任)

🔹 実際の事例
A社は顧客情報の漏洩で数億円の損害賠償
B社はハラスメント問題で企業イメージが低下
🚨 「ちょっとした気の緩み」が大きな問題に!


4. 新入社員が気をつけるべきこと
情報管理
✅ 業務の情報を勝手に持ち出さない・口外しない
✅ PCやスマホの管理を徹底(パスワード・紛失防止)

ハラスメントをしない・させない
✅ 言葉づかいに注意(軽い冗談も相手にとってはNG)
✅ 嫌なことを強要しない(飲み会・私的な誘いなど)

ルールを守る・困ったら相談する
✅ 「まあいいか」でルールを破らない
✅ 迷ったら上司・先輩・人事に相談する


5. ケーススタディ(考えてみよう!)
❓ 事例1:情報の取り扱い
Aさんは取引先のリストをUSBに保存し、家で作業しようとした。しかし、USBを電車の中で紛失してしまった…。

👉 何が問題? どうすればよかった?
✅ 情報を外に持ち出すのはNG! 会社のルールを守ることが大切。


❓ 事例2:職場のハラスメント
Bさん(先輩)がCさん(新入社員)に「みんな来るから飲み会に来ないとチームワークが乱れるよ」と強く誘っている。

👉 これは問題? どう対応すればいい?
✅ 参加は自由。強制はハラスメントになる可能性あり!


最初のコンテンツと比べると、かなり簡素化されました。これならチャンクにも収まる情報量です。時間の都合で5番目のケーススタディを省くなど、あとは適宜調整が利くと思います。


このように個別の項目に対して構成案を生成AIに依頼して、内容を肉付けしていくことができます。

ディテールはAIによる生成もしくは人間による解説で作り込む

ここまでのコンテンツができれば、あとはeラーニングの動画で人間が口頭で解説を加えていくこともできそうです。


その原稿を、生成AIで生成することもできます。サンプルで1つやってみましょう。第1回目の「法律・社内規則の遵守」についてコンテンツの生成を依頼してみます。


「コンプライアンスの「法律・社内規則の遵守」に簡単な解説をして」


その回答が、こちらです。


🔹 コンプライアンスとは?
コンプライアンスは、「法律や社内規則を守り、正しく行動すること」を指します。企業や個人が社会的なルールを守ることで、信頼を維持し、トラブルを防ぐことができます。


1. 法律の遵守
企業は、以下のような法律を守る必要があります。
✅ 労働法(労働基準法、パワハラ防止法 など)
→ 適切な労働環境を提供し、社員の権利を守る。

✅ 個人情報保護法
→ 顧客や社員の個人情報を適切に管理し、無断で流出させない。

✅ 独占禁止法
→ 価格の談合や不正競争をせず、公正な取引を行う。

✅ 知的財産権(著作権・特許権)
→ 他社のデザインやソフトウェアなどを無断で使用しない。

📌 ポイント:
法律違反をすると、企業に罰則や損害賠償のリスクがある。
社員一人ひとりが「知らなかった」では済まされないこともある。


2. 社内規則の遵守
企業ごとに、業務を円滑に進めるためのルール(社内規則)が決められています。
✅ 情報セキュリティ規則
→ 業務データをUSBにコピーしない、パスワードを適切に管理する。

✅ ハラスメント防止規則
→ 相手が不快に感じる言動を避ける、職場の人間関係に配慮する。

✅ 社内倫理規定
→ 不正な経費精算をしない、会社の資産を私的に使わない。

📌 ポイント:
社内規則は、企業の信頼や円滑な業務運営を守るために必要。
違反すると、懲戒処分や社内評価の低下につながることも。


3. 違反するとどうなる?
法律や社内規則を破ると、以下のようなリスクがあります。

🚨 企業のリスク
❌ 社会的信用の低下(顧客や取引先からの信頼を失う)
❌ 法的制裁(罰金・訴訟・行政処分など)
❌ 事業の継続が難しくなる(経営悪化や倒産のリスク)

🚨 社員個人のリスク
❌ 懲戒処分(減給・降格・解雇など)
❌ 社会的信用の喪失(転職やキャリアに悪影響)
❌ 場合によっては刑事責任(罰金・懲役など)


この原稿をそのまま読み上げるだけでも、コンプライアンスの冒頭部分の解説として使えると思います。


この要領で、構成案それぞれの項目に対して原稿が欲しい場合は生成AIにどんどん依頼してみましょう。

この記事のまとめ

・生成された教材の構成案に対して、内容を肉付けしたり、削減していく
・実際の研修で読み上げる原稿の生成も可能

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