eラーニングの有用性は分かっていても、ネックになるのが教材制作です。このような声は、Mogicのeラーニングシステム「LearnO」をご利用になっているお客さまからもお寄せいただいています。
eラーニングの普及が進み、企業の研修などでも広く利用されるようになりました。そのインフラであるeラーニングシステムも改良が進み、とても使いやすく、簡単に導入できるようにもなりました。
しかし、eラーニングシステムはあくまで「箱」であり、その中に価値の高い教育コンテンツを入れなければ真価を発揮することはできません。
そこで当コラムでは、近年話題になっている生成AIを活用して教育コンテンツを簡単・迅速に制作する方法をご案内したいと思います。
生成AIはeラーニングの教材も生成できる
ChatGPT、Gemini、Grok、Siri・・・。これらは有名なAIの名称です。AIの進化は目覚ましく、生成AIの登場によって文章や画像、動画、音声といったコンテンツを自動生成できるようにもなりました。
それなら、eラーニングの教材も自動生成できるのでは?という考えに至るわけですが、今やそれも可能になりました。もちろん生成AIだけで100%すべての作業を完結できるわけではありませんが、生成AIを有効に活用することでeラーニングの教材制作は飛躍的に省力化できます。
これまで専属のスタッフを置いていた企業、外注していた企業にとっては、大幅なコストダウンになりますし、生成AIを使いこなすことができれば教材の質的向上も期待できるでしょう。
eラーニングの教材作成は生成AIで
さまざまな生成AIがすでに実用化されているなかで、eラーニングの教材制作に適しているのはChatGPTでしょう。
ChatGPTは有名なだけに名前は聞いたことあるという方も多いと思いますが、米国OpenAI社が開発・運用している生成AIです。会話形式で必要な教材の要望を投げかけると、教材の構成や内容を考えて回答してくれます。
先ほど、eラーニングシステムは「箱」であると述べました。「箱」の中にどんな教材を展開するかに難しさを感じていた方は多いと思いますが、生成AIがその問題を解決できる時代になりました。
生成AIの多くは、チャット形式で出された指示に対して答えを返す仕組みになっているため、重要なのは質問や要望の出し方です。
当コラムでは順序だてて生成AIを使ったeラーニング教材制作の方法やノウハウをお伝えしていきますが、解説のほとんどは質問や要望の出し方です。
これを間違えなければ質の高い教材制作ができるため、最初の段階で「生成AIを活用できるかは使い手次第」であることを念頭に置いておいてください。
ただし、生成AIへの過信は禁物
eラーニングの教材制作という、これまで頭を悩ませてきた問題を根本的に解決できる可能性を秘めている生成AIですが、使い方次第で生成結果が大きく異なるため、使い方がとても重要です。
質問や要望の出し方だけではなく、生成AIが出した回答をどう取り扱うかも教材の品質に深く関わります。というのも、生成AIはネット上にある情報からコンテンツを生成するため、場合によっては事実に反する内容が出力されてしまう可能性があるからです。
この点については生成AIの大きな課題として指摘されているため、開発元は情報の正確性を担保するために多大な努力をしています。その甲斐もあって情報の正確性はかなり向上していますが、だからといって回答内容を100%鵜呑みにすることはリスクがあると言えます。
こうした事実を踏まえて、以下のような流れでeラーニングの教材制作を進めるのが理想的でしょう。
生成AIを活用した教材制作の流れ(例)
①教材の構成を考えるように質問する
②回答に対してさらに要望がある場合は要望を出す
③出力された構成に対して、内容を肉付けするための質問を出す
④構成に対して内容を埋めて教材を完成させる
⑤要望に合っているか、事実関係が正しいかをチェックする
この記事のまとめ
・生成AIの活用が教材制作の効率化に直結
・リスクも踏まえつつ、生成AIを正しく使うことが重要
#生成AIと教材制作
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