#生成AIと教材制作 の活用術

生成AIにeラーニング教材の構成を作らせてみよう

生成AIを活用してeラーニングの教材を作る方法について、今回はいよいよ具体的な教材制作に入ります。生成AIを使ったeラーニング教材制作は、大きく以下のステップに分かれます。今回はその1つ目のステップとお考え下さい。


①教材の構成を生成AIに作らせる

②生成AIによる構成に要望を出して完成させる

③構成の内容を肉付けしていく

④最終的な内容の正確性や要望に合致しているかをチェックする


なお、今回は例として企業の「コンプライアンス研修」を新入社員向けにeラーニングで実施する際に使用する研修教材を制作してみたいと思います。

最初にeラーニングを実施する目的や仕様を整理する

eラーニングによる研修を実施するのにあたって、いくつか決めておくべきことがあります。生成AIに依頼する前に、まずはeラーニングの全体像や要望をまとめておきましょう。


研修の実施回数

今回は全5回とする。

直接的な目的

新入社員向けにコンプライアンス意識を高める研修を行い、問題発生を未然に防止する。

潜在的な目的

企業のリスクマネジメントの一環として、イメージや利益の毀損を防ぐ。情報漏洩など重大な損害を防ぐ。

特に注意したい点

情報を取り扱う企業なので、情報漏洩やセキュリティの意識は特に高めたい。社員には他人事ではなく、自分事として意識してもらいたい。


最初にこうした仕様を簡単にまとめ、それをもとに生成AIに投げかけてみましょう。

生成AIに構成の制作を依頼する

それでは実際に、生成AIに上記の条件で構成を作ってもらいましょう。以下の内容で依頼してみます。


「全部で5回、eラーニングに使う新入社員向け「コンプライアンス研修」の構成を作って。情報を取り使う企業なので、特に情報セキュリティや情報漏洩への意識を高められる内容で。」


これに対する回答が、こちらです。


新入社員向けコンプライアンス研修(全5回)
・対象: 新入社員
・目的: コンプライアンスの基本を理解し、特に情報セキュリティや情報漏洩リスクに対する意識を高め、適切な行動を取れるようになる


第1回:コンプライアンスの基礎と重要性
コンプライアンスとは何か?
・法令遵守・社内規程の意味
・コンプライアンス違反が企業に与える影響(事例紹介)
企業が求めるコンプライアンス意識
・会社の信頼を守ることの重要性
・企業理念とコンプライアンスの関係
新入社員が知っておくべき基本ルール
・日常業務におけるコンプライアンス意識


第2回:情報セキュリティの基礎
情報とは何か?なぜ守る必要があるのか?
・個人情報・機密情報・営業秘密の定義
・情報漏洩がもたらすリスク(企業の信用低下・法的責任)
情報管理の基本ルール
・ID・パスワード管理の徹底
・業務外でのデータ持ち出し禁止(USB・クラウド利用ルール)
・BYOD(私物デバイス利用)のリスク
ケーススタディ:情報漏洩の実例と防止策


第3回:SNS・メール・口頭での情報漏洩リスク
SNSやメールがもたらす情報漏洩リスク
・SNSでの何気ない投稿が招く情報漏洩
・ビジネスメールの誤送信による情報漏洩
「うっかり」では済まされない情報漏洩の実例
・内部の人間が原因となる情報流出(ヒューマンエラー)
情報漏洩を防ぐための行動指針
・業務に関する情報のSNS投稿禁止
・メール送信時のダブルチェックの習慣化
・取引先との会話や移動中の情報管理


第4回:不正アクセス・サイバー攻撃への備え
最近のサイバー攻撃の手口
・フィッシング詐欺・マルウェア・ランサムウェアとは?
・標的型攻撃メールの特徴
新入社員でもできるセキュリティ対策
・怪しいメール・リンクを開かない
・業務端末の適切な利用(ソフトのインストール制限など)
・フリーWi-Fiの危険性
実際に起こったサイバー攻撃事例と教訓


第5回:コンプライアンス違反を防ぐための行動指針
コンプライアンス違反を未然に防ぐには?
・「迷ったら相談」の文化を持つ
・コンプライアンス違反を発見した際の対応(内部通報制度など)
コンプライアンス意識を持ち続けるために
・日々の業務で気をつけるべきポイント
・コンプライアンス意識を向上させる習慣
研修まとめ・確認テスト

補足
・各回の最後に 確認テスト を実施し、理解度をチェック
・実際の 事例動画 や ケーススタディ を取り入れ、学習効果を向上
・研修後に 「コンプライアンス宣誓書」 を提出し、実践意識を高める


いかがでしょうか。すでにかなりの完成度ではないかと思います。

これでも1つの教材を制作できると思いますが、敢えて完成度を高めるために追加の要望を出してみましょう。

その要望が、こちらです。


「情報セキュリティだけの研修ではないので、コンプライアンスを重視する重要性をもう少し増やしたい。」


せっかく情報セキュリティに特化した構成を作ってくれたのですが、ここでは敢えて「コンプライアンスの初心者」を想定していることを念頭に、追加の要望を出しました。

この要望に対する回答が、こちらです。


なるほど、情報セキュリティに加えて、コンプライアンス全般の重要性をもっと強調する形に調整しますね。情報管理に重点を置きつつ、企業倫理や法令遵守の意識を高める内容を強化しました。

新入社員向けコンプライアンス研修(全5回)
対象: 新入社員
目的:
・企業の信頼を守るために、コンプライアンスの基本を理解する
・法令遵守や社内ルールを徹底し、倫理的な行動を取れるようになる
・特に情報セキュリティのリスクを理解し、適切な対策を実践できるようにする


第1回:コンプライアンスの基礎と企業における責任
コンプライアンスとは?
・コンプライアンスとは?
・単なる法令遵守ではなく、「社会の期待」に応える責任
・コンプライアンス違反が企業にもたらす影響(事例紹介)
企業の社会的責任(CSR)とコンプライアンスの関係
・持続可能な経営のための倫理観
・「顧客・取引先・社会からの信頼」を守ることの重要性
新入社員に求められるコンプライアンス意識
・日々の業務で意識すべきポイント
・違反を未然に防ぐ「気づき」の力


第2回:情報セキュリティと企業の信頼
情報が企業の「財産」である理由
・競争力の源泉である機密情報・顧客情報・個人情報
・情報漏洩のリスクが企業経営に与える影響(実際の事例)
情報管理の基本ルール
・ID・パスワード管理の徹底
・データの持ち出し・共有ルール(USB・クラウド利用)
・紙の書類管理・シュレッダーの徹底
ケーススタディ:過去の情報漏洩事件と学ぶべきポイント


第3回:職場でのコンプライアンスリスクと防止策
社内で起こりやすいコンプライアンス違反
・ハラスメント(パワハラ・セクハラ・モラハラ)のリスク
・データ改ざん・虚偽報告のリスク
・横領・不正請求・利益相反行為(公私混同)
・新入社員でもできるコンプライアンス違反防止策
・「当たり前」を疑い、違和感を持つ姿勢
・困ったときの相談ルート(上司・コンプライアンス窓口)
ケーススタディ:職場でのコンプライアンス違反の実例と対策


第4回:SNS・メール・外部との情報共有リスク
SNS・チャット・メールの情報漏洩リスク
・SNSの何気ない投稿が引き起こす企業リスク
・メールの誤送信・誤CC・BCCの使い方ミス
機密情報の適切な取り扱い
・取引先との情報共有ルール(NDAの基本)
・在宅勤務・リモートワークでの情報管理
情報漏洩を防ぐための具体策
・送信前チェックの徹底
・「社外秘」「機密情報」の正しい認識


第5回:コンプライアンス違反を防ぐための行動指針
コンプライアンスは「他人事」ではない
・「自分がしなければ問題ない」ではなく、チーム全体で守る意識
・コンプライアンス違反を見つけたらどうする?(内部通報制度)
コンプライアンスを日常業務に活かすために
・「報告・連絡・相談」の徹底がリスク回避につながる
・研修のまとめ&確認テスト
・コンプライアンス宣誓書の提出

・補足ポイント
✅ 実際の事例を活用 → 具体的なケースを交え、実践的な内容に
✅ 業務に直結するルールを明確に → 「何をすればよいか」を明確化
✅ 対話型・参加型の学習 → ケーススタディやクイズで考えさせる構成
--------------------


しっかりこちらの意図を汲んで構成に対する修正案が瞬時に生成されました。新入社員向けのコンプライアンス研修を想定していることを考えると、より完成に近づいたのではないでしょうか。


この要領で、できるだけ細かく要望を生成AIに伝えるのがコツです。もちろん1回目の構成案が満点回答とは限らないので、その場合もできるだけ正確に要望を伝えると、上記のように修正を提案してくれます。

この記事のまとめ

・生成AIにeラーニング教材の構成案を作成・修正させる方法を解説
・できるだけ細かく要望を伝えることがポイント

私たちは、 eラーニングのコンシェルジュを目指しています。
いつもお客様から寄せられるご質問を一覧にまとめてみました!
eラーニングのこと、LearnOに関すること、なんでもお気軽にご相談ください。

Facebookページでも、
機能の追加やLearnOの今後の展開について
随時、情報配信中です。